判断の軸はひとつです。ローン金利より高い利回りが長期で期待できるなら、繰上返済を急ぐ合理性は下がります。年0.5〜1%台の低金利で借りている場合、その資金を長期分散投資(歴史的には年数%程度の期待)に回すほうが、家計全体では有利に働く可能性が高いからです。
繰上返済の効果は、将来払うはずだった利息の削減です。これは確実なリターンですが、金利が低いほど削減額も小さくなります。一方で失うものもあります。手元流動性です。教育費や病気など不測の支出に対して、一度返したお金は戻ってきません。
低金利のローンは、慌てて返す負債ではなく、安く借りられている資金でもあります。
住宅ローンには多くの場合、団体信用生命保険が付いています。返済中に契約者に万一のことがあれば残債がゼロになる。つまりローン残高は、そのまま死亡保障として機能しているのです。繰上返済はこの保障を自ら減らす行為でもあるため、生命保険の見直しとセットで考える必要があります。
例外もあります。金利が高い時期に借りたローン、変動金利の上昇局面、退職までに完済したい年齢的な事情。これらの条件では繰上返済の優先度が上がります。
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