預金は元本が減らないという意味では安全です。しかし「買える量」で見ると、話は変わります。年2%のインフレが30年続いた場合、100万円で買えるものは実質約55万円分まで目減りする計算です。残高は同じでも、価値は静かに削られていきます。
ここ数年、消費者物価は年2〜3%上昇する年が続く一方、普通預金の金利は依然として低い水準にあります。この差の分だけ、預金の実質価値は毎年目減りします。「何もしない」は中立ではなく、ゆっくりとした損失を選んでいることと同じなのです。
リスクとは値動きだけではありません。購買力を失うことも、等しくリスクです。
額面の給料が上がっても、物価がそれ以上に上がれば、実質的に買える量は減ります。労働収入だけで資産を増やす戦い方は、この構造の中では明らかに不利です。だからこそ、収入の一部を「働くお金」に変えておく必要があります。
もちろん、すべてを投資に回す必要はありません。生活防衛資金は現金で確保したうえで、長期で使わないお金から少しずつ。小さく始めて、時間を味方につけることが本質です。
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